◆3番(増田正博君)
ご指名をいただきましたので、通告順に従い、質問いたします。
人間を取り巻く環境は、自然は独自の生を保つ生命的存在であり、人間は、環境である自然と融和して初めて、ともに生を営み、享受できるのであって、それ以外に自己の生を創造できる方途はないとの自然観に立たなければなりません。なぜならば、人間と自然とが互いに依存し合う関係にあることは明らかであるからであります。また、近代科学文明が人間の欲望の上に成り立ち、自然の破壊から、ひいては人間の破壊へと至る現代文明の怠りを正しく認識し、是正していかなければならないことは言うまでもありません。そのような観点から、本市も早急に循環型社会を迎えるようになるために質問に入ります。 件名1.河内長野市の循環型社会の推進を目指して、についてお伺いいたします。 要旨1.環境モデル都市づくり宣言をした上で国の認定制度のエコタウン事業を取り入れ、河内長野エコタウン計画の作成による計画的な資源リサイクル事業の推進を早急に図る必要があると思いますが、その取り組みについてご所見を伺います。
要旨2.資源循環と自然の共生が真の循環社会であり、市街地が自然生態系の環の中に戻すことが緊急の課題と思いますが、本市のその対策についてご所見を伺います。
要旨3.環境管理システムの国際規格ISO14001の本市の早期取得とISO学校版、家庭版、職場版への普及拡大による環境モデル都市に向けたスケジュールについてご所見を伺います。
要旨4.ごみゼロ施設の集中立地によるエコビジネスの振興及びリサイクルプラザ早期建設や、リサイクルパーク設置等を、アウトソーシングやPFI等の先進の手法を導入して、現下の本市の財政状況のもと、差し迫った行政課題の解決に向け、民活に積極的に取り組む必要があると思いますが、ご所見を伺います。
件名2.マンション管理適正化法施行に向けた本市の取り組みについてお伺いいたします。
河内長野市では棟数60棟、戸数4,363戸、居住者1万1,812人、13年4月1日の推定値でございます。市民の9.6%の人がマンションに暮らしております。分譲マンションは、住む側の立場に立った法的な対策がおくれており、マンションに関する苦情、トラブルは全国でここ10年で約3倍に急増しています。このような状況を踏まえ、公明党は、急務にな っているマンション対策に取り組み、議員立法で昨年末にマンション管理適正化法を実現いたしました。これにより、マンション管理士が新設され、年内にも初の国家試験が行われる予定です。一方、管理業者は、管理業の登録化が定められ、国家試験に合格した管理業務主任者の配置などを義務づけ、不適格な業者が管理業務を行えないようにしました。さらに、管理業者の倒産で、修繕積立金が差し押さえられるケースがあることから、修繕積立金の銀行口座を管理組合とすることも明記、違反行為を行った業者には懲役や罰金などが課せられます。この法律の施行に向け、マンション住民の不安を解消し、快適なマンション生活のために本市として、法律施行後の早急な対応が求められるところであります。
要旨1.マンション住民が気軽に相談できる行政の相談窓口の設置により、@管理業務に精通した弁護士のあっせん、A優良な維持管理業者の紹介、B管理・修繕アドバイザーの派遣など、法律に基づくさまざまな問題に取り組む必要があり、相談能力の向上に相談窓口の設置が必要と思われます。設置についてのご所見を伺います。
要旨2.マンション築後20年以上が経過すると、劣化診断、耐震診断が必要になり、その実施に際し大きな費用が必要になります。本市の助成制度の創設・拡充など、支援の取り組みについてご所見を伺います。
要旨3.築後10年以上経過するとさまざまな修繕が必要となり、住民にとって大きな出費が必要となってきます。マンション共有部分の修繕金融資に対する利子補給制度の創設についてご所見を伺います。
以上、2件7項目についてご質問いたします。誠意ある簡潔なご答弁をよろしくお願い申し上げます。
◎環境経済部理事(新谷永治君)
増田議員の質問にご答弁申し上げます。
まず、件名1.河内長野市循環型社会の推進を目指しての要旨1、2は、相関連いたしますので、順次お答え申し上げます。
昨年6月に循環型社会形成推進法が制定され、あわせて廃棄物の処理及び清掃に関する法律をはじめ関連する法律が一体的に整備され、大量生産・大量消費・大量廃棄型の経済社会から脱却し、物質の効率的な利用やリサイクルを進めることにより、資源の消費が抑制され、環境への負荷が少ない循環型社会を形成することが急務とされるところとなりました。現在の経済社会システムは、資源やエネルギーをほとんど無制限に利用でき、環境負荷を低コストで処理することが可能であるという条件のもとで発展してまいりましたが、しかし、今日、資源の有限性が指摘され、環境問題も地球規模の広がりを見せ、また、新たな処分場の建設が困難となることによる最終処分場の逼迫など、従来の社会システムを続けていくことはほとんど不可能となるに至っております。
このような状況の中、本市では平成12年12月に環境基本条例を制定し、基本理念の一つとして、持続的発展が可能な循環型社会を構築すること、また、この条例の第12条でも、循環型社会の形成を目指すために必要な措置を講じることなどが定められております。さらに、本条例に基づいて策定いたしました環境基本計画では、循環型社会の形成を重要な目標といたしておりまして、ご質問の循環型社会の実現を目指すための河内長野エコタウン計画の趣旨は、まさに同基本計画の策定時においても十分議論、検討がなされ、その考え方を取り入れたものとなっているものと考えております。
具体的には、廃棄物の発生抑制や循環利用の促進、省資源・省エネルギーの生活様式・事業活動の促進、多様なエネルギーの活用、水循環システムの整備、生態系に配慮した水辺・緑の修復・創造、農林産物の地域内消費の促進などの施策の実施を通じまして循環型社会の実現を目指すことといたしております。今後、この環境基本計画の着実な推進を図ることが重要であると認識いたしております。
ご質問の資源のリサイクルにつきましては、リサイクルルートの確立や、建設副産物・下水汚泥などの再生利用の促進、分別・収集・運搬・資源化システムの整備、広域事業によるリサイクル施設の整備、エコインダストリアルパーク事業の推進など、同計画に掲載されている施策の推進を図っていくことが循環型社会の実現のために必要であると考えておりますが、まだ緒についたばかりであり、その具体化に当たっては、先進事例の研究を行うことなどにより進めてまいりたいと考えております。
次に、2点目の市街地を自然生態系の環の中に戻すことが緊急の課題であるとのご質問についてお答えいたします。
近年、特に東京、大阪などの大都市圏においてビルや道路を初めとする人工的な構造物ばかりになり、エアコンなどの廃熱など人間による経済活動が原因と見られる気温の上昇、いわゆるヒートアイランド現象が取りざたされるようになってまいりました。気温の上昇のみならず、都市部において集中的な豪雨が短期間に降り、排水機能が追いつかなくなって水があふれ出すといった、言ってみれば都市型の水害が頻繁に起こることの原因にもなっているのではないかとも言われております。このようなことから、市街地においては、失われた緑や土、水などの自然環境を創出していくことにより都市部の気温上昇を防ぎ、また、雨水の利用や地下浸透を図ることなどが、今後市街地にあっては重要な課題であると認識しております。
そこで、先ほど申し上げました環境基本計画では、市街地の自然環境を創出し、それによって自然の生態系のつながりを取り戻すための施策をあげております。一例を申し上げますと、市街地及び周辺に残された水辺、樹林地などの緑地の保全・回復・活用を図る、生態系を重視し、水辺の活用など、多様で環境と共生する公園整備など、市街地における幅広い緑化の推進を中心としたものでございます。
また、国においては、都市緑化を推進し、ヒートアイランド現象の緩和を図るため、屋上を緑化した建物の固定資産税の軽減などを盛り込んだ都市緑地保全法改正案が公布されるなど、条件整備も進んでまいりました。
今後は、これらの動きとあわせ、学校林の創出や学校ビオトープづくりなど環境教育の場づくりを進め、市街地であっても自然の豊かな恵みが感じられるような環境共生のまちづくりを推進していきたいと考えておりますので、よろしくご理解のほどお願い申し上げます。
続きまして、次に件名1の要旨3.環境管理システムの国際規格ISO14001の本市の早期取得とISO学校版、家庭版等へ普及拡大による環境モデル都市へのスケジュールを聞く、についてお答えいたします。
急速に深刻化する地球環境問題を初めとする環境問題への取り組みを行うため、先ほどの要旨1、2でも申し上げましたが、平成10年度から本市の長期的な環境ビジョンの策定に取り組んでまいりましたが、その仕組みの基本をなす環境基本条例の策定、続いて環境基本計画を策定するところとなりました。
これらの策定過程を通じまして、今日の環境問題の多くが、自動車の利用や生活排水等我々の日常生活や大量生産型社会経済活動の定着による通常の事業活動等に起因することが明らかとなり、この基本条例第13条では、行政をはじめ市民・事業者は、行政活動や日常生活、事業活動において、それぞれ環境に配慮することを求めております。さらに、環境基本計画の中では、それぞれの行動に対する基本的な考え方となる環境配慮指針を掲げ、具体的な環境への配慮事項を示しております。この中で、行政は、地域における活動の影響の大きさなどから、率先して行動することが求められており、環境基本計画の策定後、行政の事務・事業活動において、継続的に環境に配慮した行動が定着することを目指し、環境負荷を低減する取り組みを組織的、計画的に推進するために、環境率先行動計画の策定作業を行ってまいりました。現在、本年2月に設置いたしました市長を本部長とする環境行政推進本部において検討を行っているところでございますが、この中で、計画の推進及び点検体制の確立や環境マネジメントシステムの導入、また、ご質問の国際標準規格の環境マネジメントシステムISO14001の認証取得の検討などを行動の目標とする方向で進めているところでございます。
平成10年1月の千葉県白井町のISOの認証取得に始まりました自治体の認証取得も、現在ではおよそ200を数えるところとなっており、その勢いを増してきており、また、認証を取得することのメリットも明らかになってきている状況の中でありますが、本市におきましては、早期の認証取得を視野に入れながら、全庁的な環境マネジメントシステムの確立を図ってまいりたいと考えておりますので、よろしくご理解を賜りますようお願いいたします。
また、環境ISOの市民版の一つであります環境家計簿の普及につきましては、本年度に計画しております環境リーダー養成講座の一環として、環境家計簿の作成についての講習を予定いたしており、今後も計画的に普及を図ってまいりたいと考えておりますので、よろしくご理解のほどお願いいたします。
以上でございます。
◎環境経済部長(阪谷俊介君)
続きまして、件名1.要旨4.ごみゼロ施設の集中立地によるエコビジネスの振興及びリサイクルプラザの早期建設でリサイクルパーク設置などPFI等の民活の取り組みについてお答え申し上げます。
21世紀は環境の世紀とも言われ、今後ますます廃棄物の分野においてその処理についての環境負荷を低減させる方向に変革が求められ、リサイクルのより一層の推進は欠かすことのできないものと考えております。
本市におきましても他市に先駆けまして分別収集を実施し、資源選別作業所において瓶類、缶類、古紙類、古布類等、種類別に選別し、資源化を図っております。さらに、燃えないごみ、粗大ごみとして排出されましたごみの中から小型金属類等を別に回収し、金属類等の選別を行うなど、積極的にリサイクルに取り組んでいるところでございます。
一方、国におきまして、廃棄物及びリサイクルの対策を総合的に推進し、貴重な資源の消費を抑制する循環型社会の構築を目指す基本的な枠組み法として、昨年5月、循環型社会形成推進基本法が制定され、本年4月から施行されました家電リサイクル法もその一つの新たな法制度でございます。
ご質問のエコビジネス、いわゆる環境関連産業の振興策についてでございますが、環境への負荷が少ない持続可能な経済社会の構築へ貢献するものと、その発展が大いに期待されております。本市におきましても今後、グリーン購入法に基づき、環境への影響を軽減する商品をこれまで以上に積極的に購入することなどを通して支援してまいりたいと考えております。
次に、リサイクルプラザについてでありますが、ご承知のとおり本市におきましては、上原西町にございます資源選別作業所で総合的なリサイクルの処理を行っていますが、昨今の法整備等による分別対象品目の増加や、作業所の広さの問題等から見た場合、これまでにもご説明を行ってまいりましたとおり、本作業所では十分に対応できない状況となっております。
今後、容器包装リサイクル法への対応等、減量リサイクルの一層の推進が求められる状況でありますので、施設の充実が必要不可欠であると認識しており、今まで資源選別所の処理能力を向上させるため、アルミ自動選別ラインを新たに整備するなどの対策を実施してまいりましたが、現状においてはこれ以上施設整備を図ることは難しい状況にあります。また、こうした施設を新たに確保するためには相当な財政負担が必要となります。
現在、大阪府におきましては、広域的な見地から、ごみ処理全般にわたりまして減量化を目的とした具体的方策が検討されているところであります。この中でも、スケールメリットを生かした広域処理による処理の効率化やコストの軽減を図る必要性について検討されており、この動向を見据えながら、今後、資源選別作業所の運営につきましては、限られたスペースのもとでの処理機能の分担や施設の充実を図るとともに、本市におきます新たなリサイクルシステムのあり方につきまして、民間事業者への処理委託や、PFIの活用も含めた中で総合的に検討を進め、より一層効率的な運営に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
◎都市建設部長(壺井仁孝君)
続きまして、件名2.マンション管理適正化法施行に向けた本市の取り組みについて、要旨1、2、3は、相関連いたしますので、一括してお答え申し上げます。
マンションは、今や我が国における重要な居住形態であり、その適切な管理は、マンションの区分所有者等だけでなく、マンション周辺の住環境の保全という観点からも社会的にも要請されているところであります。
しかし、一つの建物を多くの人が区分所有するマンションは、各区分所有者等の共同生活に対する意識の希薄さ、多様な価値観を持った区分所有者間の意思統一への調整の難しさ、利用形態の混在による権利・利用関係の複雑さ、建物構造上の技術的判断の難しさなど、建物を維持管理していく上で多くの困難な問題を有しているところであります。特に、今後、建設後相当の年数を経たマンションが多くなり、老朽化したマンションを社会的資産として、この資産価値をできる限り保全し、かつ、区分所有者みずからの居住環境のみならず、マンション周辺部を含めた快適な居住環境が確保できるように適切なマンション管理を行うべく、平成12年12月8日にマンション管理適正化の推進に関する法律が公布されたところでございます。
法律公布後のスケジュールでございますが、今月下旬には、マンション管理適正化指針が告示され、管理業務関係の省令は9月ごろに公布される予定でございます。また、来年4月にはマンション管理士登録制度が実施される予定となっております。
ご質問の相談窓口の設置による相談能力の向上につきましては、マンションの管理に当たり、管理士の資格取得、マンション管理業務関係、区分所有権・管理組合の運営に代表される民事問題、建物の維持修繕に関する技術的な問題など、多方面にわたることから、相談員の育成につきましては、近い将来、近畿ブロックにおいて府県の主管者協議会が設置され、その中で、マンパワーの育成として議論、検討されると聞いております。
いずれにいたしましても、法律が施行されておりません現時点におきましては不透明な部分もございますが、マンション住民に対する情報提供は必要な事項であると認識しておりますので、国、府の今後の動向を見守りながら、本市の実態に即した情報提供体制等につきまして、相談窓口の設置等を含め整理していきたいと考えておりますので、よろしくご理解のほどお願い申し上げます。
次に、劣化診断、耐震診断の助成制度の創設でございますが、現在、河内長野市既存民間建築物耐震診断補助金交付要綱によりまして、昭和56年5月31日以前に建築された老朽マンションの耐震診断及び予備診断に要した2分の1を助成する制度−−限度額100万円、1戸当たり2万5,000円−−がございますので、この制度の活用をお願いしたいと思います。
最後に、マンション共用部分の修繕金融資に対する利子補給制度の創設でございますが、現在、住宅金融公庫におきましても、マンション共用部分リフォームローンとして低利の融資を実施されており、また、大阪府の独自制度として、大阪府福祉のまちづくり条例に基づき、マンションの共用部分を段差解消のためのスロープや、障害者に配慮したエレベーターやトイレ、階段の手すりなどを設置した場合に自己負担が1%になる利子補給制度がございます。
ご質問の一般的な利子補給制度は、冒頭申し上げました権利関係がふくそうする中での修繕等の意思統一を誘導するための施策としては有効であると理解いたしますが、戸建て住宅とのバランスも考慮する必要もございますので、現時点では相当困難な課題と考えておりますので、よろしくご理解いただきますようお願い申し上げます。
◆3番(増田正博君)
丁重なるご答弁、ありがとうございました。何点か、要望、また再質問等、時間のある限りさせていただきたいと思います。
マンションの件でございますけど、まだ法律が完全にでき上がって施行されておりませんので、施行時にはスムーズにいけるように、今から準備をしていっていただきたいというふうに要望しておきます。いろんな困難な問題もあるとは思うんですけど、先ほどの利子補給の問題とか、その辺も検討していっていただきたいということを要望したいと思います。
環境の問題ですけど、先ほどからいろいろご答弁いただきましたけど、ISOの関係なんですけどね。水俣市という市がございます。ここで、導入した事例があるわけですけど、まず取得の宣言をしまして8カ月で職員さんの手づくりで認証取得ができたということなんです。それは全国で6番目だったらしいんですけど、そのためにかかった費用が、審査登録費用として298万、研修費ほかで93万7,000円、合計で390万かかったと。それを年1回定期監査費用がかかるということで、これが約98万円かかっているらしいんです。これが3年分ですからね。一応費用はそれだけかかったと。それで、導入した結果、省エネとしまして、また省資源としまして、初年度に300万円浮いてきたと。2年目は600万円、3年目は1,000万円経費が節減できたということで、合わせて2,000万円の節約ができたということです。それで、3年間のかかった費用600万と相殺しましたら1,400万円のプラスになったと。最大のプラスは、全職員が環境について意識改革を持つということができたということで、平成11年2月ですから、10年度にこれを取得しているんですけど、本市としてもこの取得の宣言をまずしてはどうかということを1点、再質問したいと思います。
◎環境経済部理事(新谷永治君)
増田議員のISO14001に関係いたします再質問にご答弁申し上げます。
先ほどもご答弁申し上げましたように、早期の認証取得を視野に入れながら、全庁的な環境マネジメントシステムの確立を図ると。我々もISOに関しては十分認識しております。ただ、我々、庁内といたしましては、やはり平たく申しますと、マネジメント確立に関して足腰を鍛えるという、そういう定めをしていきたいと、このように考えております。
よろしくお願いします。
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