◆3番(増田正博)
ご指名をいただきましたので、通告順に従い質問いたします。
アメリカでの連続テロ事件に対して、このたびのはかり知れない惨劇に謹んでお見舞いを申し上げます。余りにも多くのとうとき人命が奪われ、犠牲になられた方々のご冥福を深くお祈り申し上げます。いかなる試練があろうとも、自由を掲げられたアメリカ合衆国の崇高な精神は永遠に不滅であり、大統領の断固たるリーダーシップのもと、アメリカ国民の皆様が一日も早くこの大きな苦難を乗り越えられますよう心より念願いたしております、との大統領に対するお見舞いと励ましのメッセージをお見受けいたしました。私自身も全く同感であります。
さて、質問に入ります。
件名1.公共ネット革命による市民ニーズに基づく公共サービスの実現に向けて、行政の今後のあり方として、管理職も一般職員も市民サービスに対する品質、顧客満足あるいは顧客ロイアリティーを図る管理職であれば、トレーニングやサポートを通じて職員を動かすことにより、改善に取り組むことができるでしょう。直接実務に取り組む職員は、市民を顧客として、顧客データの収集・分析あるいは活用を通じて市民サービスの品質を向上させ、市民の満足を実現し、それを維持していくことを可能とします。総合的な顧客調査・分析管理システムの構築により、資源分配や収益改善に寄与するでありましょう。ネット革命は市民を顧客として、行政の顧客志向の経営を可能とします。顧客の視点を行政の業務にツールとして活用されることが期待されます。
要旨1.電子市役所の実現に向けた戦略的な都市経営と計画に基づく付加価値の高い市民サ ービス実現への取り組みスケジュールについてお伺いいたします。
本市は、当局の積極的な取り組みにより、電子市役所の実現に向け大きく動き出しているとお聞きしますが、当市だけでは取り組めない課題もあると思いますし、むだがあってもなりません。早期に計画的な実現へ向けた現状の取り組み状況についてご所見を伺います。
要旨2.新人事評価システム構築の取り組みが国において検討されていると伺います。本市のそれらの取り組みはどのような状況でしょうか。また、本市としてみずから学習できる環境の創出に努められ、人材の育成に積極的に取り組まれていますことは承知しております。さらに、任用試験の導入により、能力志向を打ち出し、やる気のある若手の登用できる環境に努められているところであります。地方分権の推進により、グローバルな市町村間の競争に打ち勝つために、行政環境の変化に素早く対応し、迅速な意思決定を行うスピード経営へのシフトは不可欠であり、そのためには、行政経営に若さも不可欠であります。早期選抜制度の導入により将来への布石を打った戦略的人事を実施することも必要と思いますが、ご所見を伺います。
要旨3.本人の適性の問題により、組織への適応困難な状況にあるとき、本人も大変であり、職場も停滞する状況のとき、いま一度後退して再度挑戦できる環境が必要と思います。職員の意志で降格できる依願降任制度の導入について見解を伺います。
また、有能な民間人の専門的知識を積極的に行政に活用し、
行政の高度化、多様化を図るため、人材のアウトソーシングや期間の限定した活用等の民間人の有効活用の制度を導入してはいかがでしょうか、ご所見を伺います。
件名2.住みよい都市環境の整備について。
要旨1.美しいまちづくりのため、市民と行政の協働システムとして取り組むアダプト制度導入の取り組みが国内でも進んでいると伺っています。市民と行政がそれぞれ一定の役割を担って、市民はボランティアとして一定の区域を責任を持って美しく維持していくというとうとい行為であります。本市といたしましても美しいまちづくりの一環として、市民ボランティア育成支援のため早急にアダプト制度の導入に取り組んではいかがでしょうか、ご所見を伺います。
要旨2.三日市の国道371号線から平和橋までの狭い市道の駅前再開発事業にあわせた道路拡幅整備の取り組みについて。
現在、精力的に三日市駅前再開発事業が進んでいます。再開発事業の進捗により、駅前の様相もすっかり変わってまいりました。関連事業であります三日市駅前線も姿をあらわしてきたところであります。国道371号線との取付道路の道幅は16メートルであり、平和橋よりの取付は4メートル余りで、一部は関電柱とNTT柱が並立したところは車の離合ができません。平和橋より駅前への上り坂は車の底を打つような急な坂であり、改善を必要としています。朝夕のラッシュ時は通勤・通学の人と車がいつもふくそうしています。三日市から南花台への計画道路も着手のめどがついていない現状から、原道の拡幅に再度着手してはいかがでしょうか、ご所見を伺います。
以上、2件5項目の質問をいたします。誠意ある簡潔な答弁をよろしくお願いいたします。
◎企画総務部長(尾崎章)
増田議員の質問にお答えいたします。
件名1.公共ネット革命による市民ニーズに基づく公共サービスの実現に向けて、要旨1.電子市役所の早期実現に向けた戦略的な都市経営と計画に基づく付加価値の高い市民サービス実現への取り組みスケジュールについてお答えいたします。
政府において平成13年6月に発表されましたe−Japan2002プログラムにおきまして、平成14年度に重点的に推進する項目として「電子政府・電子自治体の着実な推進」が掲げられ、国、地方一体となったIT革命推進に向けた取り組みを進めているところでございまして、住民基本台帳ネットワークにつきましては、平成14年度の運用開始と市民へのICカードの配布の開始、平成15年度中に住民票の広域交付の開始が予定されており、国、府、地方自治体をネットワークで接続する総合行政ネットワーク、いわゆるLGWANの整備につきましても平成15年度を目標として整備が進められております。
本市におきます情報通信技術の活用の推進につきましては、
従来から庁内LANの整備、住民情報や財務会計、文書管理などのシステム導入に加えまして、電子市役所の基盤となるインターネット、電子メールの活用のために庁内LANとの接続を行いまして、庁内各課でインターネットを活用すべく準備を行っているところでございます。また、市民への情報提供サービスの充実につきましては、市のホームページの充実を行うべく、市の例規の全文掲載、ホームページ掲載内容の検索、市へのご意見やご要望を受け付ける専用ページの新設など、13年中に実現すべく準備を進めております。また、より的確な情報を迅速に市民へ提供すべく、情報の発信元であります担当課などから直接ホームページに情報を掲載、交信できるような取り組みについて検討を進めております。
このような取り組みに加えまして、今後のIT施策を全庁的な取り組みとして進めるため、平成13年3月に市長を本部長として設置いたしました河内長野市IT推進本部において、個々の具体的な施策の行動計画を策定すべく、メニューの洗い出しを行いまして整理を進めているところでございます。
こうした電子自治体に向けた取り組みの中には、公的個人認証基盤の整備など全国的な取り組みの中で実現するものもあり、大阪府においても府下の全市町村が参加した電子自治体推進会議を設立し、今後、府と府下市町村が共同して情報システムを整備し、運営を行っていく検討を進めておりまして、本市も積極的に参画を行っているところでございます。
いずれにいたしましても、電子市役所に向けた取り組みにつきましては、全国的な進捗状況を見据えながら、市民サービスの向上と事務の効率化を図り、地域の情報化を進めてまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
続きまして、要旨2の新人事評価システム構築の取り組み・みずから学習する環境の創出・学習能力の開発によるビジネスの責任を持てる行政のリーダーとなる人材の早期選抜制度導入による組織の活性化、また、要旨3の組織への適応困難な職員の依願降任制度の導入及び民間人の専門的知識のアウトソーシングや期間限定活用等の有効活用制度の導入につきまして、相関連いたしますので、一括してお答えを申し上げたいと思います。
社会経済情勢の変化や環境の変化に的確に対応し、さらには地方分権の進展や高度化・多様化する市民ニーズに適合した質の高い行政サービスを提供していくためには、行政の担い手である職員一人ひとりがそれぞれの資質・能力をますます発揮できるような人事管理のあり方が重要な課題となっております。また、職員の高齢化が進む中で、組織の活性化を図り、公務能率の向上や職員の勤労意欲・士気の高揚等を図っていくためには、職員が蓄積した経験や知識を含めて職員の能力や勤務実績について、公正な、客観的な評価を行い、より能力、実績を重視した人事管理に転換していく必要があります。
このような状況のもとで、本市におきましては、優秀な人材の早期登用や組織の活性化を図る観点から、これまで年功序列を基本とした昇任制度を改めまして、平成10年度から段階的に昇任試験制度を導入し、あわせて試験対象者に対する人事考課も実施しているところでございます。
国におきましても、公務員自身の意識・行動様式の改革を行うために信賞必罰の人事制度の確立や多様な人材の確保・育成・活用など公務員制度について抜本的な改革を行うこととしているところでございます。
ご提案いただいております組織への適応困難な職員の依願降任制度の導入につきましては、今後の国におきます取り組みなどを参考にしながら、組織の活性化や公務能率の向上の観点からも研究するなど、より一層の人事管理の充実を図ってまいりたいと考えております。
また、複雑・多様化する住民ニーズに対応するため、専門的な知識・経験を必要とする業務や期間が限定された業務につきましては、必要に応じまして大阪府からの職員派遣、非常勤嘱託員の任用、民間委託や民間活力の活用などを行うことによりまして公務の能率的な運営を確保してまいりたいと考えておりますので、よろしくご理解賜りますようにお願いいたします。
以上です。
◎都市建設部長(壺井仁孝)
件名2.住みよい都市環境の整備について、要旨1.美しいまちづくりのため、市民と行政の協働システムとしてアダプト制度導入の取り組みについて、お答え申し上げます。
まず、道路の維持管理といたしましては、清掃、除草、樹木管理、違法看板等の撤去、舗装等道路施設修繕が主なものであり、基本的には業務委託もしくは直営管理で実施しておるところでございます。しかしながら、歩道、植樹帯及び道路側溝の清掃については、日常的には実施しておらず、地域自治会や住民単位での清掃を行っていただいておるのが現状であります。
さて、ご質問のアダプト制度は、自治体が道路や河川等の清掃・美化活動を、地元の各種団体や市民ボランティアなどに任せるアダプション・プログラムのことで、アダプトともアドプトとも表記され、養子にする、引き取るの意味で、1985年ごろ米国テキサス州が道路の無料清掃を企業に依頼し、見返りに道路での広告看板の設置を認めたのが始まりとされています。日本でも、自治体にとって清掃費用等の削減につながる環境美化対策として1998年度からの導入が始まりましたが、急速に普及が進み、2001年6月現在、48の自治体が導入し、名称もさまざま、各地に根差した活動となっていると聞き及んでおります。
大阪府では、地域に愛されるきれいな道路づくりや地域の環境美化の推進を図っていくことを目的とした大阪府アドプト・ロード・プログラム実施要領を定め、平成13年4月1日より本格的に実施されております。
このプログラムは、住民ボランティア団体、市町村、大阪府がそれぞれの役割を分担し、府管理道路の美化を進める制度であり、各市町村にこのプログラムの推進の協力要請がなされておりますが、このたび野作区自治会から、国道170号(大阪外環状線)の一部区間において、過年度から実施されておる自治会清掃活動をこのプログラムの一環として実施すべく大阪府に参加申し込みをされ、受理されたところであり、大阪府も南河内地区での最初の取り組みとして積極的に推進する意向でございます。
本市としましても、市内幹線道路網の景観向上、環境美化を図る上で、骨格をなす国・府道への住民参加による美化活動は重要であり、また、市管理道路でも市民参加による道路美化活動への啓発効果が大きいものと理解しておりまして、本市における市民参加による(仮称)アドプト・ロード・プログラムを平成14年度中の実施に向け、鋭意取り組んでいるところであります。まずは、この大阪府のプログラムの推進に積極的に協力してまいりたいと考えております。
また、公園等の公共施設におきましても、できる範囲でアドプト制度を活用し、市域の環境美化等に取り組む予定でございますので、よろしくご理解のほどお願い申し上げます。
続きまして、件名2.要旨2.三日市町の国道371号線から平和橋までの狭い市道の駅前再開発事業にあわせた道路拡幅整備の取り組みについてお答え申し上げます。
高野街道の宿場町として栄えた古い町並みが残る三日市町駅周辺の道路状況につきましては、元来、道路幅員が狭いところで、昭和40年代からの急速なベッドタウン化に伴い、自動車や歩行者などの交通量が年々増加しており、特に朝夕の通勤・通学時には危険な状況となっております。
そこで、これらの対策として国道371号の東側では、三日市町駅前西地区再開発事業や関連街路事業により、円滑な交通処理と快適で安全な歩行者空間の確保を図るべく、国道から再開発事業区域へ通じる三日市駅前線の延長約150メートルと、右折レーンや歩道等の整備に取り組んでいるところでございます。
一方、ご質問の市道三日市1号線の国道371号から西側の平和橋までの延長約100メートルにつきましては、現状の道路幅員が約4.5メートルから5メートルと狭隘であり、また、駅方面から国道371号バイパスを結ぶ道路として通過交通量が増加しております。特に朝夕の通勤・通学時には交通渋滞となっており、交通安全対策上、早急な拡幅整備が望まれていることは以前から十分認識しております。このため、市といたしましても、三日市小学校、東中学校の通学路でもありますことから、子どもたちの安全確保を図るため、道路拡幅整備に取り組むべく、平成2年に地元説明を行い、事業協力をお願いしましたが、一部権利者の協力が得られず、やむなく計画を断念した経緯がございます。しかし、現在、三日市町駅西側地区の再開発が進められている中、国道から平和橋までの整備につきましても、三日市町駅周辺のアクセス道路としての位置づけのもと、交通安全対策の観点からも再開発事業との整合を図っていかなければならないと考えております。
したがいまして、平成14年度から始まります第5期3カ年実施計画の中で新たな拡幅計画を進め、地権者や地元の方々のご協力を得ながら事業化に向け取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくご理解賜りますようお願いいたします。
以上でございます。
◆3番(増田正博)
丁重なるご答弁、ありがとうございました。
質問の中で、件名2のアダプト制度の件でございますけど、平成14年度中の実施に向けて導入する方向で取り組んでいくというふうにお答えいただきました。できるだけ早い時期にできるように、内部調整、いろいろな調整があると思いますけど、できるだけ早い時期に実施できるようによろしくお願いいたします。
要旨2の、先ほど言われました平和橋までの市道の区間ですけど、平成14年度から第5期の3カ年実施計画に載せていただいて取り組みを進めていただけるということで喜んでおります。しっかり事業が推進できるように努力していただきたいというふうに思います。
あと、件名1の方でございますけど、今言われました各課対応のホームページですね。これがTPOに合った具体的な市民サービスにつながるものと思います。そういう意味で、このホームページを実施できる時期ですね、明確な時期がなかったんですけど、大体でいいんですけど、いつぐらいから市民が利用できるようになるかということを、この点、ちょっと、入っていませんでしたから教えてもらいたいと思います。導入は9月ごろから検討するということで聞いていましたもので、それがいつごろから実施できるかという−−ランニングの問題があると思いますから、その辺の時期を見ていると思いますけど、いつごろになるかということをちょっとご答弁いただきたいと思います。
要旨2の問題でございますけど、早期選抜制という、このことが中に入っていませんでした。そういうことで、この早期選抜ということの考え方ですね、それで取り組みというんですか、このことを、この2点ちょっと再度お聞きしたいと思います。
◎企画総務部長(尾崎章)
再質問にお答えいたします。
ホームページの各課対応の掲載はいつごろかということでございます。基本的には14年度、新年度ということで予定をいたしておりますが、これにつきましては操作能力のいろんな問題もあります。職員の研修もあわせて実施していかなければならないというふうに思います。可能な部署から順次対応していきたいというふうに思っております。よろしくお願いしたいと思います。
それから、早期選抜制度でございます。優秀な人材を早期に登用することによって組織の活性化を図り、また、市民ニーズに合った行政サービスを提供していくためには、能力、また実績重視の人事管理をしていかなければならないというふうに考えております。その一つの方策として昇任試験制度を取り入れておるわけでございますが、ご指摘のように、早期選抜もその一つの方策というふうにも考えられますが、今のこの職員の経験・能力ですぐに2階級上位のポストに対応できるかどうか、また、給料体系との兼ね合い等の問題もあります。今後、他市の状況も見ながら研究してまいりたいというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
◆3番(増田正博)
ご答弁、ありがとうございました。
ホームページの関係ですけど、来年の4月より、できるところから順次開いていただけるということで、その中身の一層の充実が市民の皆さんの期待にこたえられるように持っていっていただきたいというように、これは要望しておきます。
早期選抜制度のことですけど、民間では非常にほとんどのところで利用しているような形でやっております。といいますのは、若い人がいろんなところでアイデアを出していくためには、いろんな機構の中でそういう早急な判断とか、早急に夜中に遅くなったのに対応する激務に耐えられるとか、そういうところから早期選抜ということがもう実施されておりまして、日本の国内の企業なんかでほとんど取り組みを開始しているところだと思います。その研修に400時間とか450時間とか、そういう長期の時間を勤務時間以外に努力して身につけることによ って自分を磨いていけるような、そういう制度ということになっているみたいです。そういうことから、市という一定のルールがあるかもしれませんけど、いろんなそういう研修していく制度で、本当に能力を開発するというのがこれは目的だと思うんです。そういうことから、能力のある人を開発して、育成して、市の行政がいかに付加価値の高い行政になっていけるかということの方向性を示すものだというふうに考えております。そういうことから、早期選抜が行われたら、次は第2段階で戦略的な配置をどう持っていくかという、そういうところまでつながっていくものだと思います。そういうことから、そういう早期選抜制の方もしっかり研究していただいて、組織が活性化できるように、そういうものを導入していければいっていただきたいなということを要望して、質問、終わります。
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